2018年7月15日日曜日

咬合違和感症候群(1)

最近の歯科のホットな話題として、咬合違和感症候群という病名があります。
咬合とは、ご承知のように上下の歯の接触のことを言います。
「グッと噛んで下さい。」このとき、あなたの歯は最大接触面で接触します。
この状態を、最大咬頭嵌合位といいます。
最大咬頭嵌合位は、日常生活では咀嚼時に体験することができます。
食べ物を口に入れると、咀嚼が始まります。咀嚼を続け、食べ物が小さく噛み砕くと嚥下に
移ります。この嚥下に移る直前が、最大咬頭嵌合位です。
この最大咬頭嵌合位のときに、違和感を感じるのが咬合違和感症候群です。
 
咬合違和感症候群は、何も意識せず噛んだときに「どこで噛めばいいか分からない」、
「噛み合わせに違和感がある」、「噛み合わせがずれている」、
「左右のかみ合わせが、違う」、上下の歯が合っていない」などの異常を感じます。
 
しかし、歯科医が咬合紙と呼ばれる赤やブルーのインクでコーティングした8~65ミクロンの
ビニールシートを、上下の歯の間に挟んで「カチカチ噛んで下さい」と言って
最大咬頭嵌合位での接触状態をチェックします。
 
咬合紙
 
上下の歯の接触状態に異常がないが、咬合の違和感がある場合に、
咬合違和感症候群と診断されます。
そして、自律神経失調症身体表現性障害という精神疾患に分類されてしまいます。
しかし、患者さんは精神疾患という診断に納得できず、歯科医院に限らず色々な医療機関を
訪れ続けるるという、ドクターショッピングに走り、エンドレスな治療を強いられることがあります。
 
咬合違和感症候群は、どのような病態なのか?どうすれば治るか?を
実際の治療例を紹介しながら数回にわたり解説していきますのでご愛読下さい。
あなたの咬合違和感症候群は、必ず治ります。
 
 
 
 
 
 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿