睡眠時の歯ぎしり(sleep bruxism 以下SB)は、浅い睡眠時に起き睡眠の質にも影響します。さらにSBは、呼吸と心拍の乱れも生じることが解かってきています。
SBを解決することによって、高血圧や心筋梗塞などの予防につながり、人々のQuality of Life (QOL)の改善にも大きく貢献することも考えられます。
SBの歯への影響のみならず全身への影響を回避することは、今からの歯科医療へ突きつけられた大きな課題となることでしょう。
そこで、SBの測定を開業歯科医でも可能にしているのがBiteStripとGridCareです。
BiteStripについて、少し詳しくお話します。
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BiteStripは滅菌された状態で一式が箱詰されていますので患者さん受けも
いいようです。
Stripを就寝時5時間以上左の咬筋部に装着してもらいます。7時間以上経過したところで、剥がしてもらいます。結果は表示部(画面右の緑の部分)に最大噛みしめ力の30%以上の力が加わった回数がL,1,2,3と表示されます。
Tさんは「夜間の歯ぎしりが気になる」という42歳の女性患者さんです。
測定は3回(3晩)行いました。
一回目は、処置前で数値は3で、最大噛みしめ力の30%以上の力が100回以上の加わったことになります。
二回目は、私が好んで使用しています3Dスプリントという前歯被覆型のスプリントを装着して寝ていただいた測定結果です。この時の数値は、Lつまり30回未満という結果が出ました。
三回目は、この3Dスプリントで得られた顎位をDawsonTechniqueで再現しながら咬合調整を行った後で、測定しました。表示は1で31~59回という結果が出ました。
昭和大学・歯学部では誤差を抑えるために、一回の測定を3回づつ行うことを推奨されていますが、この実験では費用の関係もありそれぞれ一回にとどめました。
一回目、二回目、三回目と異なる結果が出ました。私が期待したのは三回目が、Lになることでした。咬合調整は、ほとんど削合するだけで積極的に修復をするというような処置をしていません。
毎回違う数値が出たことに一抹の期待を抱いています。つまり、『精度の高い咬合を与えることによってSBが治るのではないか』ということです。
ちなみに、Tさんには、満足頂いています。
今後、症例数を増やし、GridCareでも計測し、確証を得たいと考えています。
3DスプリントとDawsonTechniqueについては、回を改めてお話しします。