2012年2月28日火曜日

睡眠時無呼吸症候群の治療

もう30年も定期チェックを続けているYさんが、来院され「閉塞性睡眠時無呼吸症候群でCPAP装置(写真2参照)を毎晩使用しているが、装置が出す音がうるさく奥さんからクレームが出ている」と訴えておられたので、「歯科でも同じような効果がある簡単な装置がある」とお話ししたところ、ぜひ作ってくれということになりました。下顎を前方に固定する装置を作りました(写真1参照)。Yさんの主治医・M先生の評価では口腔内装置はCPAP装置と同様の効果が得られているということで、YさんはCPAP装置から口腔内装置に替えることができ、奥さんの苦情もなくなったということでした。
さらに後日の定期チェックで、驚いたことにはYさんの復位性関節円板前方転位が治り、開閉口時のクリック音が消えていたことです。
ひょっとしたら、下顎位が変わったので、装置を入れなくても閉塞性睡眠時無呼吸症候群が治っているかもしれませんね!次回の定期検診時にYさんに、このことも伝えたいと思います。

小西さんは、今朝も秋田県能代から来られました。顎関節のクリック音や肩こりなどがあり、顎関節のMRI検査で復位性関節円板前方転位が確認できました。そこで写真1の装置を入れました。
小西さんは、「CPAP装置を毎晩使用しているが、出張の時に運ばなければならないのと、同室者が音がうるさくて2度と同じ部屋に泊まりたくないという」とこぼしておられました。
この装置は、復位性関節円板前方転位の治療のために入れましたが、睡眠時無呼吸症の治療にもなれば、一石二鳥というところです。担当の耳鼻科の先生と相談して、併用するかどうか相談してくれるように、お話しておきました。
小西さんは、“太っ腹”な方でご自分の写真を本ブログに掲載することを許していただきました。しかし、この、“太っ腹”が閉塞性睡眠時無呼吸症の原因になっていることも考えられますね(失礼)。



クリックすると拡大されます。
写真1
関節円板前方転位を治すスプリント

写真2
CPAP装置を着けた小西さん
外泊するときには持ち運びしなければなりません。
日本歯科大学・小林教授の論文には、
CPAP応用による睡眠は3.3~5.5時間に対し、
スプリントの応用による睡眠は5.5~6.9時間と記載されていました。
スプリントの方が安眠できるようですね。
CPAP装置は健康保険で1ヶ月の費用が4000~5000円ほどかかるそうです。
そして1ヶ月に一度は、受診の必要があります。

CPAP【nasal CPAP(nasal continuous positive airway pressure) ネーザルシーパップ)】装置よりチューブを経由して鼻につけたマスクに加圧された空気(陽圧の空気)を送り、その空気が舌根の周囲の軟部組織を拡張することで吸気時の気道狭窄を防ぐ方法。ウィキペディアより引用



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