今日は、顎関節症とは全く関係のない話です。
MicroEndo(顕微鏡を利用した根管治療)は、一般の開業医でも今や常識になっています。
このMicroEndoの元祖的な存在がペンシルバニア大学歯内療法科主任教授のDr. Syngcuc Kimです。日本のエンド界のリーダーである井澤先生、澤田先生、石井先生などはDr.Kimのお弟子さんです。
今週土日のシンポジウムのため、ペンシルバニア大学から数人来日しています。
私は、どういう訳か分野がまったく違うのですがDr.Kimの親友です。ということで今からDr.Kim達の歓迎パーティーに出かけます。
彼のことにつては、なぜか自分のことのように自慢したくなります。
彼は、コロンビア大学にいた頃からの30年ほどの友達です。コロンビア大学でウサギの歯を削って実験していたときの光景が思い出されます。
赤血球と同じ大きさの放射線不透過性のプラスチック球を作り、麻酔液に混入しウサギに歯根膜注射、通常の浸潤麻酔、伝達麻酔を施し歯髄内の血流量の違いを、レントゲン動画で撮影し観察しました。
この結果、歯根膜注射をすると10分以上たたないと歯髄の血流量が元に戻らず、血流量が戻らないうちに歯冠形成をすると、歯髄にダメージを与えやすい。
一番安全なのは、伝達麻酔という結論だったと思います。彼は、この研究でNIHから当時のお金で一億円を超える研究費を得たということです。
アメリカのEndo教室は、歯髄を守る研究をしているということで、驚いたことを記憶しています。
彼は、コロンビア大学を全学部を通じて首席で卒業しました。卒業のとき、日本の元首相・三木武夫さんが同大学から名誉法学博士号を授与されました。
Dr.Kimの卒業生代表のスピーチを聞いて、三木さんが「同じ日本人として、誇りに思う」と話しかけてきたそうです。通訳官が、「韓国の方ですよ」と耳打ちしたら、三木さんがすぐさま「アジアの同胞として誇りに思う」と言い直したそうです。
「日本からアジアと言い直すあたり、さすが日本の首相だ」というのが彼の弁です。
Dr.Kimの祖父さん、お父さん、お母さんのことも書きたいのですが、またの機会に・・・・・
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