2012年12月28日金曜日

今年もお世話になりました。


今年は私にとって激動の年でした。
ビルの老朽化に伴い診療室の退去を勧められました。

「齢のこともあり、そろそろ引退したら」という家内の声もありましたが、あえて移転開業の道を選びました。

数年前から取り組んでいる顎関節症治療に一定の目処をつけたいという思いからです。しかし、その道険しくなかなか思うような成果が得られないというのが現状です。

すぐにでも結果が欲しいのです。この休みに頭をリフレッシュして再挑戦の道筋を練り直したいと思っています。


皆さん よき新年をお迎え下さい。

2012年12月27日木曜日

群発頭痛

皆さん、年の瀬を迎えお元気にお過ごしでしょうか?
私の医院は毎週木曜日休診ですが、今日は出勤し明日から冬休みにということにしました。

先週、来院された群発頭痛について触れてみたいと思います。

釈迦に説法だと思いますが、頭痛には一次性頭痛と二次性頭痛があります。
歯痛で頭痛が起きることもありますが、これは二次性頭痛です。くも膜下出血でも激しい頭痛が起きますがこれも二次性頭痛です。何かの疾患で二次的に起きるのが二次性頭痛です。

一次性頭痛には、緊張性頭痛、片頭痛(偏頭痛)、群発頭痛があります。
顎関節症との関連が明白なのは、緊張性頭痛です。
片頭痛と顎関節症の関連を強調する臨床家もいますが、私は関連性が低いと思います。
さて群発頭痛ですが、私の医院で群発性頭痛を主訴に咬み合わせ治療を求めてきた患者さんは過去に一人いらっしゃいました。

先週の患者さんで2人目です。
脳神経クリニックで群発頭痛と診断され、投薬をうけているものの根治治療ではないため、当院を訪れました。
開口量は25.5㎜ 無理して開口すると43㎜です。大きく開口すると左の関節音があります。
来春、下顎を前方へ出した位置で上下顎を固定する夜間用のスプリントを装着します。
群発頭痛と顎位が関係あるのでしょうか?

以前治療した患者さんは咬合調整後、大分改善したということです。

関節円板偏位

今年最後の顎関節症患者さんは関節円板偏位の方でした。
 
画像をクリックすると拡大されます。
患者さんは20歳の大学生です。
かなりの歯列不正が見られます。
患者さんの主訴は、顔の歪みです。カイロにかかっているのですが
効果がないので、当院に来られました。
3Dスプリントにょって少し補正されています。
 
 
 
左は初診時、右は3Dスプリント装着直後
充分とは言えませんが、改善されてきているようです。
来年予約しましたが、来年には真っ直ぐになっていることを期待しています。
 
 
 
 
 

2012年12月25日火曜日

富士山

 
私の治療室から撮った富士山です。
 
朝方も見える日が多いのですが、夕方の方が見える確率は高いようです。
この写真は今日の17:00の様子です。患者さんの治療中に振り返るとこの光景でした。
患者さんと一緒に眺めながら撮影しました。
日によって夕焼けに映える富士山は、もっとくっきりと見えるときもあります。
いずれまた、撮影します。
 
最近、移転後の雑用に追われ、顎関節症のブログを書けません。
来年からは、再開しますのでよろしくお願いいたします。
 
明日まで診療、顎関節症の初診患者さんです。特徴のある患者さんなら報告します。
明後日は大掃除(というより引っ越しの後片付け)で今年は終わります。
 
新年1月3日から6日まで孫たちと石垣島で過ごします。
 
 
 

2012年12月20日木曜日

シンボル

 
 
新診療室の正面を飾る照明です。メキシコの石を加工したものです。
石の厚みが7ミリほどあり重厚感を醸し出しています。
相田化学が輸入している石を使ったものです。
いつまでも大切にしたいと思います。
 
 

2012年12月19日水曜日

管楽器奏者はご注意を?

音楽は、自分を豊かにし、他人に喜びを与えます。
しかし、思わぬ“落とし穴”が、というのが今日のテーマです。
あなたのお近くに管楽器を演奏する方がいらっしゃれば、ぜひ次のことを伝えてあげて下さい。

 
ちょっ写真がピンボケですが、これはクラリネットのマウスピースです。
管楽器に欠かせないのがマウスピースだそうです。
このマウスピースで、顎関節症を起こしている症患者が私の医院でも数人いらっしゃいます。
このマウスピースを使っている患者さんによりますと、マウスピースの上面は
上の前歯に固定されるそうです。そして演奏のときは下顎が頭蓋に対して
上後方へ押されます。この結果、関節円板前方転位が生じます。
少し、分かりにくいかも知れませんが、次回にでももう少し詳しくお伝えします。
 
 

2012年12月18日火曜日

戒め

 
これは、娘がサザビースのオークションで入手してくれた
19世紀初頭にオランダのデルフト地方で焼かれたタイルです。
新しい診療室の私の机の前にかけてあります。
机に向った時に、最初に目にするものです。
夫の抜歯を心配そうに見守る妻の表情が印象的です。
今は、麻酔も進歩し抜歯で痛い目に遭わせることもないでしょうが、
自分の歯を喪失する敗北感は如何ばかりと思います。
患者さんの歯が抜歯に至らないようにするのは当然ですが、
より快適に機能し、違和感もなく、審美的にも満足できる口腔環境を
造り出すように、より一層の努力を重ねたいものです。
 
 

2012年12月17日月曜日

 
新しい診療室に移って一週間以上が経過しました。
まだまだ、あれが揃っていないこれが揃っていないという状態です。
しかし、徐々に整いつつあります。
 
私にとっては、何十年振りかのグループプラクティスになります。
歯科医が2人いるといいな!と思っています。
毎日、患者さんのことで相談に乗ってもらっています。
というのは、私はずっと補綴畑を歩んで来ましたが、
パートナーはどちらかというと外科畑です。
もちろん、咬合に関しては私が相談相手になっています。
 
それと、私もコンピュータに関しては強いと自負していた時代がありましたが
今は、どんどん進んで追いついていくことができません。
こうなると、パートナーに頼るしかありません。
CTの撮影や読影ソフトの扱いもすべて頼りっぱなしです。
自立せねばと思っています。
 
 

2012年12月14日金曜日

これは何でしょう?

今日は、顎関節症の初診患者さんが2人みえました。

お1人目は、“顎関節症による うつ症状”という自己診断で来院されました。
うつ症状 と顎関節症の関係は明確ではありませんが、顎関節症が治ると うつ症状 が治ることはよく経験することです。

お2人目は、矯正治療経過半年の方です。担当の矯正医は顎関節症があることを知りながら見切り発車したようです。

お2人とも問診、聴診、触診の結果、復位性の関節円板前方転位と仮診断しました。CTを撮り、
MRIを撮影依頼しました。


 
これは何でしょう?
入れ歯でも、実習用の模型でもありません。
 
正解は入浴剤です。
 

2012年12月13日木曜日

昨日、今日


新しい診療室のエントランスを飾る花です。
 
昨日、今日と矯正のハンズオンセミナーでした。
御殿山のKavoの研修室のあるビルで開催されました。
昼休みにKavoのショールームを訪ねました。
 
 
 
 
 
 

2012年12月10日月曜日

移転開業準備→移転開業

12月1日(土) 旧診療室での最後の治療

12月2日(日) 休診 もちろん家内と二人で旧診療室片づけ


12月3日(月) 全員で引っ越し準備
         荷物の多さにビックリ


12月4日(火) 引っ越し


荷物の運び出しを終わった私の治療室
思い出一杯です。
12月5日(水) 新診療室開業準備
荷物を運びこんだのは、良いのですが片付くか心配
12月6日(木) 休診
            ゴルフに出かけたものの「心ここにあらず」でハーフで帰宅 開院準備
12月7日(金) 引き続き全員で大忙しの開院準備 
          大事件発生です。ある事情で準備していた歯科医院名が使えなくなりま
                                 した。
         
                                 そこで、歯科医院名を「青山神宮外苑歯科」という名称に変更。
         
                            皆さん今後とも「青山神宮外苑歯科」をよろしくお願いいたします。
         
                                    保健所への登録も完了
         タカラベルモントの島岡さん、タカラスペースデザインの藤井さん
                                    ご迷惑をおかけし
         ました。
         また、二日間もお手伝いいただきましたタカラベルモントの小林さん
                                     有り難うござい
         ました。
         夕刻遅くには、何とか開院準備完了 というよりは見切り発車
12月8日(土) 開院
         第一号の患者さんは計画していたクラウンを形成しようとしたのです
                                    がカリエスが深
         く、止む無くインプラントをお奨めしました。OKをいただき、早速
                                    CTの出番です。 
         他に、もうお一人CTを撮影しました。この患者さんは来年にインプ
                                    ラントをすることにしました。
         CT導入に当たっては、Kavo の稲垣さん、伊藤さん、後明さん、
                                    歌田さんお世話になりました。
         

結果としては、右下7は根も破折していることが分かりました。
ということで、開院第一日は、何とか無事に乗り切りました。

12月9日(日) 片づけ
         終日、自室の片づけや洋服掛けの取り付けなどをしてくれる職人さん
                                    の応対。
         こまごましたところまで面倒を見ていただきました瀬戸口さんお世話
                                    になりました。
         娘を煩わせての買い物で遅い夕食になりました。
         家内も自分の母親の骨折入院というアクシデントに遭いながら、本当
                                    に頑張ってくれました。働き者の奥さんで良かった!

12月10日(月) 開院二日目
          今日は9時の朝礼から始まり、順調に診療を終了しました。
          

開院の詳しい顛末、診療室の紹介は後日に・・・・・
サヤカの小林さんのブログにも紹介されていますので、ご覧下さい。

新しい診療室へ移転しての一番の収穫は、移転第一号の患者さんから今日の患者さんまで長い診療生活の中で、こんなに落ち着いた雰囲気の中で治療に専念できたのは、生涯で初めての経験でした。
工事関係者の皆さんをはじめ、大勢の方々のお世話になりました。有り難うございました。






         



2012年12月7日金曜日

移転完了

移転が完了し、荷物の整理に追われています。
今日は、スタッフは全休でした。
私はゴルフに出かけましたが、開業準備で買い足さなければならないものもありハーフで帰ってきました。スコアが良かったのに残念!

土曜日の開業に向け、明日一日頑張ります。
今日は一応工事完了ということで、タカラスペースデザイン・設計部の藤井さん、タカラベルモント・小林さん、島岡さんと確認作業をしました。

夕刻になりましたが、私の診療室から夕陽に浮かぶ富士山のシルエットを望むことができました。
この美しさは感動ものでした。
落ち着いたら富士山の夕景を眺めながらワインでも傾けたいと思います。
レンズを向けましたが、カメラのバッテリー切れで撮影することができませんでした。
上手く撮影できれば次回、画像を紹介します。

私の医院を訪れる方は、晴れた日の夕刻においでいただき秀麗富士を堪能して下さい。




2012年12月4日火曜日

いよいよ引っ越し


今日は引っ越しでした。
荷物の多さにビックリです。思い切って色々捨てましたが整理がつくか心配です。
 
12月8日(土)の開院に向け頑張ります。
 
 
 


2012年11月30日金曜日

卓越した歯科医療 Excellent Dentistry 1

今回から数回にわたり、私の考える 卓越した歯科医療 Excellent Dentistry を紹介していきたいと思います。

まず、理解していただきたいのは健康度曲線です。

上の図の黄色線が虫歯の健康度曲線です。
健康度が高いのは虫歯の無い正常な歯です。初期の虫歯→中等度の虫歯→重篤な虫歯と健康度が下がっていきます。
個体の歯の健康度曲線は、虫歯の状態、歯周病の状態、咬合状態などで決まります。
次回から、この健康度曲線を利用した理想的な歯科医療について提言していきます。


 

2012年11月29日木曜日

近況


前回は我が家の柚子を紹介しました。
今回は瑞々しい「かぼす」です。毎年、大分の後輩が贈ってくれます。
この「かぼす」の絞り汁を入れた我が家のカクテルは最高です。
焼酎2.5: カボスの絞り汁1.5: オレンジジュース6の割合です。イケマスヨ!お試しあれ。
 
 

移転先の工事も着々と進んでいます。
一部の家具も入り、全体像が見えてきました。今週土曜日で現在の診療室はクローズ、
12月8日から新診療室がオープンします。
 
 
 
 

2012年11月28日水曜日

コミュニケーションとモチベーション8


今年も柚子が鈴なりです。秋から冬にかけての味覚に一味加えてくれます。
身近にあるので助かります!
 
 
 
この図は以前にも紹介しました。
 
歯科医であれば、自分の提供する歯科医療の明確なイメージを描いていると思います。
あなたの目指す歯科医療は、
① 緊急処置を繰り返すEmergenncy  Dentistry でしょうか?
② 歯を削り、充填し、請求書を出す Drill Fill Bill Dentistry でしょうか?
③ 歯を維持させるだけの Maintenance Dentistry でしょうか?
④ それとも、卓越した Excellent Dentistry でしょうか?
 
上の図にあるように、歯科医が目指す歯科医療に患者さんが同意しない限り、良好な患者━歯科医関係は得られません。
どの患者さんの同意が得られる歯科医療を目指すべきです。
それは、予防を中心とした卓越した歯科医療です。
 
次回から、私が考え実践している歯科医療を紹介していきます。
 
 
 
 
 

2012年11月27日火曜日

移転開業近況

 
移転開業先のビルの外観です。青山道りから神宮球場に向かうスタディアム通りに面しています。
9階建てのビルの8階です。真ん中の丸く出ている部分がベランダになっています。
都会の喧騒の中でホット一息入れられるスペースにするべく、どんな植物を飾るかを検討中です。
 
今日は床張りをしていました。だんだん具体的なイメージが湧いてきました。
 
今は2台のユニットですが、4台になりますのでコンピュータのアポイントシステムの構築に
頭を悩ませています。昨夕も遅くまで打ち合わせをしました。時間ができたら全体のシステムの
再構築にかかる予定です。いくら時間があっても足りません。ブログも休みがちです。
 
 
 

2012年11月22日木曜日

コミュニケーションとモチベーション7

卓越した歯科医療とは?
今回は、卓越した歯科医療(excellent dentistry)について考えていきたいと思います。


卓越した歯科医療(excellent dentistry)とは、単に治療がうまいとかいう単純なものではありません。
歯科医学に裏付けされた歯科医療を患者さんに提供し、それがビジネスとして成り立っている必要があります。
自分が学んできた最高の歯科医学に基づいた診断・治療を患者さんに提供し、それが患者さんの満足を得、患者さんがその対価を支払ってくれ、自分の、スタッフの充足した生活につながっている必要があります。
最高の歯科医学に到達することは、一生なしえないことでしょう。それは、自分がその領域に達したと思っても、歯科医学はどんどん進歩していくからです。
つねに学究的であるべきです。すなわち学び続ける歯科医師(student dentist)でなければなりません。

私の人生、臨床がこのようなレベルからは、ほど遠いところにあります。しかし、ゴールがどこにあるかを明確にしながら、人生を歩んでいくことに意義があるのではないのでしょうか?



2012年11月21日水曜日

顎関節症の対症療法2

画像をクリックすると拡大されます。
 
この患者さんは左の画像のように、左顎関節部の疼痛を主訴として来院されました。
右上が初診の状態です。左上3のガイドがありません。
そこで左側方運動時の関節包の疼痛だろうと診断しました。
左上3のテンポラリークラウンを作り変えて右下の画像のように左上3にガイドを与えました。
これで、疼痛が消えました。
このケースでは痛みに対する対症療法が根治療法にもなったわけです。
診断・治療には、最低限の咬合の知識も必要です。


 
 
 
 

2012年11月20日火曜日

顎関節症の対症療法


顎関節症の対症療法の対象は疼痛と開口障害です。

先日、私の顎関節症セミナーを受講した先生から相談がありました。
「ベルギー在住の患者さんからつぎのようなメールがあり、対応に苦慮しているということでした。

こちらの歯医者に行ったところ
「本来、このくらい小さい穴だとしみることもないし、

1年くらいほっといても大丈夫なはずです。頭痛とか首、顔の痛みは顎関節症から来ているから奥歯を治療して何かかぶせるかどうか、口腔外科で見てもらって戻ってきて」

と言われてそれまで痛みを我慢するようにイヴィプロフェン600mgを渡されたのですが
強いのに効かなくて飲んでません。

その歯医者さんがいまいち信頼できそうもないので(失礼ながら)違うところに行く予定ですが予約がすぐ取れないのと仕事があるのでなかなか行けないでいます。

それからホームドクターに三叉神経の薬を出してもらってますが
そちらもほぼ効かないので止めました。

顔の痛みは少しよくなったのですが、首は4年ほど前に私がプチ事故を起こした時の鞭打ちが今出たのかとも思ってます。

なので、朝起きるとどこからか落ちたように酷い頭痛で目が覚めて今は左側の歯が
常に痛いのでベンザブロックを飲んでます。(何故かイヴより効きます)

皆さんは、このような問い合わせがあった場合、どのような対応をされますか?
歯髄炎を疑いますか?
この担当の先生は、起床時の痛みから顎関節症(咬合異常)を疑われ、この対策を私に問い合わせてこられました。

私も、これだけの情報では確信を持った診断はできません。

もし、咬合が関係しているなら画像にあるような「Aqualizerを送ってあげれば」と応えました。Aqualizerは、患者さんの症状が咬合と関係しているかどうかを診るのにも適しています。

私の医院でも、疼痛が我慢できない患者さんで、スプリントを作る時間がない場合にはAqualizerを利用します。つねに1つは常備しておくようにしています。あまり長く買い置きしておきますと、上下の歯の間に挟む部分の液体が乾燥してしまうようです。




ブラキシズムは治る


18日(日)は東京医科歯科大学で行われた「ブラキシズムは治る」1300症例からわかったこと
というタイトルの講演会に参加しました。
世界で治らないとされているブラキシズムが治るというタイトルに釣られ参加しました。
結論は自己暗示法で治るということでした。

19日(月)は、ブラキシズムで悩んでいる後輩の歯科医が「何とかしたい」ということで来院しました。この歯科医には、あのスプリント、このスプリントとあらゆるスプリントを試みていますが治りません。この歯科医も昨日の講演会に参加していました。
この歯科医曰く「私の場合は、自己暗示法ではなおりません」
自己暗示法以外で治す方法を模索しようということで、来月また挑戦することにしました。
ちなみに、この歯科医はMRI画像では復位性関節円板前方転位です。

復位性関節円板前方転位も自己暗示法で治れば、歯科医の出番はないですよね!






2012年11月15日木曜日

コミュニケーションとモチベーション6

移転先の工事も大分進み、連日打ち合わせなどで忙しくブログも滞こうりがちです。
 
 

前回は「歯科医師と患者さんとのコミュニケーションの対象は歯科医療」であるというお話をしました。この対象となる歯科医療には、上の表に示す4つのタイプがあります。
緊急処置のみの歯科医療では、痛みどめの処置が中心で到底患者さんの満足を得ることができませんし、私たち自身も遣り甲斐をを見つけ出すこともできません。
卓越した歯科医療は、当然予防的な考えが中心になります。
次回は、私の考える予防中心の歯科医療・卓越した歯科医療を紹介する予定です。
 
 


2012年11月12日月曜日

コミュニケーションとモチベーション5

 
今年もゴールデンピラミッドが元気に咲いています。
雨風に打たれ強い花ですね。
花言葉は 憧れ、君のそばにいるよ、輝かしい未来、崇拝 です。
打たれ強く可愛い人がそばにいてくれるといいですね。
10日ほど前に摂った写真ですので、ちょっと時期がずれてしまいました。
 
 
 
 
前回と同じ図です。
左の図に示すように歯科医であれば、誰しもが自分の目指す歯科医療像を持っています。
まず、患者さんに自分の歯科医療像を話さなければなりません。
この歯科医が持つ歯科医療像を患者さんが理解し、共感してくれると右の図のようにすべての関係が+になり、そこからコミュニケーションが始まります。
次回からは、どのような歯科医療を目指すべきかに焦点を合わせていきます。
 
 
 
 
 
 
 

2012年11月8日木曜日

不信感

 
色づいた蜜柑の上に見えるの朝顔です。何か違和感を感じます。
色づいた蜜柑は秋、朝顔は夏の暑い時期を象徴するものと思っておりました。
この琉球朝顔は花が遅くまで咲きますが、異常気候の精でしょうか?
 
 
関節円板を戻すことが大切なのかと理解しましたが
そもそも偏位してしまったのは天然歯を削られたりで
噛み合わせが崩れてしっまった状態が原因かと思いますが
歯がこの状態で過ごすことが続けばやはり堂々巡りで治らないのではと
思ってしまいます。
先生が「診断が正しければマウスピースで痛みは数日で消える。」と
おしゃいましたが、私の症状を軽く見ていないか(頭頸部の痛みは尋常では
考えられない痛みなのです。顎関節症は命にもかかわる恐ろしい病気だと思います)
痛みが消えなかった時他の方法があるのか、それとも
これまでの先生方に言われたように「そんなはずはない」とか
「噛みしめが強いからだ」とか「精神的なもの」など 
原因が私の気質にあるようなことになってしまうのでしょうか。
 
これは、今週初めに左の顎関節部の痛みを主訴として来院された患者さんからいただいたメールの一部です。
主訴の聴取から最後まで涙、涙の連続でした。
 
T歯科大学、N大学歯科病院をはじめ数軒の歯科医院を巡られた患者さんです。
種々な症状から、復位性関節円板前方転位と診断しました。
下顎を前方に出し、関節円板が復位した状態で上下顎を固定する装置(当院ではSスプリントと呼んでいます)を作るための印象をしました。
自宅への帰路メディカルスキャニングでMRIとCTを撮影するように勧めました。
 
患者さんの強い歯科医師不信感から来る不安感に苛まれた文章表現です。
患者さんの症状緩和で応えるしか、患者さんの心身を癒す方法はないでしょう。


 
 
 
 
 
 

2012年11月6日火曜日

休日

 

家内が丹精を込めている我が家の玄関を飾るピラカンサです。
ピラカンサスという人もいるようです。ピラカンサには幾つもの種類があり、この複数の種類を
言い表すときにはピラカンサスという複数形を使うようです。
 
昨夕は家内の親戚であるパリ在住の向山良作(ピアノ)、榊原彩(チェロ)ご夫妻のデュオコンサートに出かけました。
さすが、ご夫婦だけあって息の合った演奏でした。いつものことですが、最初の1,2曲は雑念に煩わされ集中して聴くことができません(俗人ですね)。
いつの間にか自分が作曲した曲を演奏してくれているような錯覚に陥ります。そして夢の世界に入り込んでいきます。
昨日は、戦時中に疎開していた山口県萩市の光景が鮮明に蘇ってきました。
 
ときどき、文化的な雰囲気に浸ることも大切ですね!
 
 
 
 

2012年11月2日金曜日

移転先工事

 
いよいよ移転先の工事が始まりました。
今日は「墨出し」で配管・配線・間仕切りの位置を確認しました。
関係業者さん全員にお集まりいただきました。
12月1日まで現診療室で診療、1週間のお休みをいただき12月8日から新診療室
オープンという段取りです。

2012年11月1日木曜日

ポスター


親戚がコスモスを持ってきてくれました。
 
花言葉のように、「乙女の純潔・真心・美麗」を思わせる花とも今年はお別れです。
 
 
 
孫の描いた絵が世田谷区歯科医師会の歯の衛生に関する絵画ポスター展
佳作に選ばれ表彰されました。世田谷区歯科医師会長・中野幹夫先生有り難うございました。
 


2012年10月31日水曜日

コミュニケーションとモチベーション4

 
患者さんとのコミュニケーションの基本
 
前々回にお話ししたように、一対一のコミュニケーションはニューカムのいうABX理論で考えることができます。
 
人Aと人BがXという話題についてコミュニケーションするということです。
 
これを歯科医療の現場では人Aが患者さん人Bが歯科医であったり衛生士であったり、受付であったりします。Xは当然その歯科医院で展開される歯科医療ということになります。
 
ここでは、患者さんと歯科医の例でコミュニケーションについて考えてみましょう。
 
例えば、ゴルフ友達が歯科治療を目的に来院したとしましょう。
話題の対象Xをゴルフとしたときは、ゴルフを通じてその友人とは良好な関係が構築されている場合がほとんどでしょう。
しかし、その友人が患者さんとして来院したときは対象X=歯科医療として、信頼関係を構築しなおさなければなりません。
この信頼関係構築のステップについては、次回から・・・・・・・

2012年10月29日月曜日

コミュニケーションとモチベーション3

 
明日から札幌での日本シリーズ 果たして優勝の行方は?????
私は秘かに日ハムの優勝を願っています。というのは、ジャイアンツというチームには
江川問題あたりからクリーンなイメージを持てません。
 
 
 
コミュニケーションとモチベーションの話題の続きです。
 
ニューカムは左の図のように人Aと人BがXという話題について話し合うのが、一対一のコミュニケーションだと述べています。
歯科医院での患者さんと歯科医師のコミュニケーションも右の図のように表わすことができます。


2012年10月26日金曜日

コミュニケーションとモチベーション2

ホトギスです。若葉や花にある斑点模様が、鳥のホトトギスの胸にある模様と
似ていることからこの名になったようです。
さて、前回の続きですがホブランドの実験結果から皆さんは何が大切か?と考えますか。
私は、歯科医師は歯科医師としての品格を持ち、歯科医院は歯科医院としての品格を備えることが大切だと考えます。
歯科医師の品格の第一歩は、清潔感だと思います。清潔感溢れる服装も大切です。
さらに大切なのは、自信に満ちた態度も大切です。一朝一夕には備わりません。普段からの積極的な心構えと努力が大切でしょう。
12月の8日に新しい歯科医院を開院しますが、もう一度 歯科医師の品格、歯科医院の品格について考え直してみたいと考えています。

2012年10月25日木曜日

コミュニケーションとモチベーション1


鉢植えのブルーベリーの紅葉が始まりました。寒い土地ほど赤色に染まるようです。
果たして、我が家の紅葉はどの程度の赤色まで紅葉するのかか?
ときどき観察したいと思います。

前回までのタイトルはインプラントでしたが、今回からはタイトルを改めました。
いよいよ本題に入っていきます。
まず、ホブランドの実験から紹介したいと思います。
ホブランドは、A、B、C 3つのクラスの高校生に「非行少年の処遇」に関する話題について、Aクラスには講師は判事、Bクラスには一般人、Cクラスにはかって非行少年であったと紹介し、同じテープを聞かせた後、この講演の内容は正しいかという質問をしたところ下の表のような結果が出ました。
 表をクリックするとか拡大できます。

皆さんは、この結果から何が大切だと考えますか?





2012年10月24日水曜日

インプラント4


今年も秋明菊(シュウメイギク)が花を咲かせました。
本来の花の色は赤紫色です。中国から渡ってきた外来種ですが、ジャパニーズ・アネモネという
別名があるそうです。アネモネはギリシャ語で風という意味で風の花ともいうそうです。
そういえば、今日も風に揺れながら可憐に咲いていました。
花言葉は、「忍耐」、「多感なとき」、「薄れゆく愛」
 
インプラントについて書くつもりが、コミュニケーションの話になってしまいました。
何回かコミュニケーションやモチベーションについて書いた後はインプラントに話に戻し帳尻を合わせる予定です。
 
 
さて、拙著「成功への歯科医療ーコミュニケーションとモチベーションの進め方」は平成元年に上梓しました。
聖路加国際病院の理事長・日野原重明先生の講演会には、学生のときから参加させていただき影響を受けていました。日野原先生の御著書も参考にさせていただきましたので、この本を出版し、すぐに日野原先生に送らせていただきました。
その時のお礼状には、「この種の本は必要とされながら数が少ないので、聖路加国際病院の研修医の講義の資料として使わせていただく」という内容でした。
その後、日野原先生の主催されているライフプランニングセンターの記念講演会にお呼びいただき600人の聴衆の前で、日野原先生、女子栄養大学学長・香川先生とご一緒に講演させていただく栄誉を賜りました。
 
一生のよき思い出となっています。
 
続きは次回に・・・・・・・

2012年10月22日月曜日

インプラント3


前回、前々回に紹介した全顎インプラントで補綴したケースのパントモです。

前回にも触れましたが、このような患者さんとどのようにコミュニケーションを進めていくかについてお話ししたいと思います。


 
これから何回かにわたってお話する話題は「成功への歯科医療━コミュニケーションとモチベーションの進め方」という本からとったものです。
この本の誕生は、26,7年前に現日本歯科大学理事長・学長を務めておられる中原泉先生から突然電話をいただいたのがきっかけです。「先生も長い臨床経験があるので、そろそろまとめて本にしたら」というお話でした。
最初は専門である補綴領域の本をと考えていました。スライドを整理してみましたら、大した内容になりそうにもありませんでした。
そのころ、歯科医療を進めていくにはコミュニケーションやモチベーションは大切だと考えていましたが、参考になる本がありませんでした。
そこで一念発起して、このテーマで本を書いてみようということにしました。
 
続きは、次回に・・・・・・


2012年10月18日木曜日

インプラント2


庭の菊芋に蝶がとまっています。
 
菊芋は菊に似た花をつけ塊茎が芋に似ているので、この名がつきました。
9、10月に花を咲かせ、10月終わりには塊茎ができます。
塊茎は牛乳煮、バター焼き、フライ、スープ、味噌漬け、煮物などの
食材として用いられるそうです。
食感はレンコンやジャガイモと似ているそうです。来月には掘り起こして食してみたいと思います。
 

 
前回の
下をインプラントにしてから1週間経過しましたが、
非常に満足しています。普通の義歯とは全く違い
自分自身の歯である様な感覚です。


というメールをいただいた患者さんの初診時のスタディモデルです。
すべての歯がポケットが深く、上下の動揺があります。

皆さんは、このような患者さんがみえたら、どんな声掛けをしますか?
「もっと早く来ればよかったのに」
「よく、こんなになるまでほっておいたね」
「大変つらい思いをされていますね」

意外に、患者さんへの最初の言葉のかけ方で患者-歯科医関係が決まるのかも知れませんね!


 

2012年10月17日水曜日

インプラント

画像をクリックすると拡大されます。ぜひ拡大してご覧下さい。

庭の金木犀です。いま、花の匂いを嗅ぎながらブログを書いています。甘いいい匂いです。
この花を、白ワインに漬けたものを「桂花陳酒」というそうです。今度、中華料理店で試してみます。時間があれば、自家製の「桂花陳酒」を作ってみたいと思っています。
患者さんから次のようなメールをいただきました。
 
いつもご連絡ありがとうございます。

明日お伺いしますのでよろしくお願いします。

下をインプラントにしてから1週間経過しましたが、

非常に満足しています。普通の義歯とは全く違い

自分自身の歯である様な感覚です。

この患者さんは上下数本の歯が残っていましたが歯周病が進行していたため、全部の歯を抜歯しました。結果的には、上下すべての歯をインプラントで補綴しました。
数回にわたり、この顛末を紹介します。






2012年10月16日火曜日

関節円板前方転位の原因2

 
関節円板前方転位の原因の第一は頬杖です。第二は管楽器のマウスピースです。
管楽器はいうまでもなく、オーケストラには無くてはならない存在です。
個人的に楽しんでいる方も大勢いらっしゃいます。
 
マウスピースにちょっとした工夫を凝らす、または咥えかたを工夫することによって、演奏を楽しみながら、関節円板前方転位を防ぐことができます。
 
前回も強調したように、関節円板前方転位は治すことができないか、
治すことができても大変な努力が必要です。
 
周りの方に、管楽器を演奏する肩がいらっしゃったら注意してあげましょう。