2012年3月6日火曜日

顎関節症と体の歪み2

なでしこ勝ちましたね!優勝してほしいですね。
というわけで、テレビ観戦のため昨日付けで更新する予定が日を越えてしまいました。

顎関節症の患者さんは「なぜ体が歪むのか?」ということをお話します。
2月15日に掲載した写真をもう一度出します。
この患者さんは腰痛が治らないということで、整形外科の先生から紹介されてきた患者さんです。
画像1で、その状況はお分かりと思います。
画像2は、この患者さんの頭部を表わしました。

画像をクリックすると拡大されます。
画像1
“かみ合わせ”が原因で起きている腰痛は
簡単に治すことができます。
画像2

左の図左下の大臼歯に高いクラウンが入っています。このため、側頭骨・下顎窩と下顎骨・下顎頭との関係が変わり、頭が右に傾いてきます。通常、下顎が変位すると考えますが、本当は頭が右に傾き、その重力(頭の重さはボーリングの球と同じくらいです)に耐えられず体が右に傾斜していきます。そのため腰痛が起きたわけです。

中央の図:3Dスプリントを入れると、側頭骨・下顎窩と下顎骨・下顎頭の関係は正常に戻りますが、右の大臼歯が接触しなくなります。

右の図:左の高いクラウンを削って調整します。これで、歯の接触も、側頭骨・下顎窩と下顎骨・下顎頭の関係も正常になりました。画像1の右の状態になります。この関係の“かみ合わせ(咬合)”の位置を“筋骨格安定位”といいます。つまり、筋骨格安定位は歯と歯の関係だけではなく、全身の筋肉・骨格が正常な排列にある位置ということです。

今日のポイントは2つあります。
一つ目は、“かみ合わせ(咬合)”が変わると下顎の位置が変わると考えがちですが、本当は頭位が変わるのです。この患者さんの場合は頭が右に傾斜しています。頭位が変わるから、体が歪むのです。

二つ目は、“かみ合わせ(咬合)”を歯と歯の関係だけで考えてはいけないということです。全身の筋肉と骨格と“かみ合わせ”は密接な関係にあることを忘れてはなりません。

次回は、側頭骨・下顎窩と関節円板、下顎骨・下顎頭の排列関係についてお話します。

3Dスプリントについても、回を改めてお話します。ご期待下さい。

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