ゴルフから帰宅、ビールを一杯、そしてこのブログを書いています。5時過ぎにはナイター見物に出かけます。
咬合の捉え方Part3をお届けします。
下の図は、南松本でご開業の林清平先生の博士論文を指導教授である日本歯科大学・小林義典教授がまとめられたものです。
クリックすると、拡大されます。
顎機能誌15:95~120,2009
歯学70巻4号1982 林清平 「実験的咬合干渉が咀嚼系に与える影響」からコピー
この実験は、日本歯科大学の学生で咀嚼系に問題がなく、下顎第一大臼歯に軽度の咬合面齲蝕があるか充填処置を施してある者を被験者として、下の図のような咬合干渉のあるインレーを装着、撤去したときの下顎の偏位などを計測したものです。
Bは術前、Aは装着後、Rは撤去後を表わしています。
A/Pは前後方向、L/Rは左右方向、S/Iは上下方向、
LCは干渉側、RCは非干渉側、
CLはクリック発現時期を表わしています。
干渉のあるインレーを装着すると、一晩で下顎がかなり偏位することを示しています。
臨床では、
インレーを装着した直後に、患者さんが「少し高い気がします」と訴えた時に「2~3日で慣れますよ」という歯科医師がいますが、これは慣れるのではなく顎位の狂いが生じているということです。
その結果、全身症状が多かれ少なかれ出てきます。
あくる日に、咬合調整しようとしても顎位を立て直してから調整する必要があります。
健常者の修復をする場合も、一旦 咬合関係を壊してしまうと Tooth based occlusion (上下の歯の関係を見るだけの咬合)では、対処できなくなります。
この実験では、咬合干渉のあるインレーを7日後に撤去していますが、顎位の変化は続いています。
修復物の装着時の咬合調整の重要さを示唆した貴重な論文です。
また関節音の本体が明らかにされています。
便宜上、ここでは顎位の変化という言葉を使いました。
本当は、顎位の変化ではなく頭位の変化です。この議論は後日、詳しく述べます。
今夜の阪神の健闘を・・・・・・
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