2012年4月3日火曜日

関節円板前方転位

今日は大荒れの天気で、各地で被害が出ています。
私は天気予報などで、荒天になるということは承知していたものの診療室の窓から見る限りでは、予報ほど大したことがないなーと5時まで、いつものペースで治療していました。
帰宅してテレビで、多くの大企業が早仕舞いしたことを知り、スタッフに早く帰宅するよう促すよう慌てて診療室に電話しました。幸い皆が帰った後でした。

2月17日と3月24日に、ご紹介した仙台から来院されているKさん。今朝は4回目の来院です。
仙台のT大学歯学部でMRI像で復位性関節円板前方転位と診断され、「治りません」と宣告された患者さんです。
復位性関節円板前方転位を治すスプリントを2月17日に装着して、約1カ月半が過ぎました。
患者さんを悩ませていました右顎関節部の痛みは、装置装着後7~10日で消えました。
開口量は、初診時無理なく開ける量が33ミリでしたが今日は45ミリに、最大開口量は初診時42ミリが51ミリに伸び、クリック音も自覚的にも他覚的にもかなり小さくなってきました。
まだ24歳ということで、順調に治癒に向かうものと思われます。

この患者さんには、1つ心配事がありましたのでCT画像を、いつもお世話になっている日本大学松戸歯学部放射線科・金田隆教授に送り、診断を仰ぎました。
私の危惧したことは、下のCT画像の右関節窩の赤い矢印の部分です。


画像をクリックすると、拡大されます。

金田先生からいただいた所見は以下の通りです。

ご指摘の、CTにて右関節窩に一部骨欠損像がみられますが、いわゆるパーシャルボリューム効果の影響と考えます。しかしながら非常に薄い状態は確実で、長い経過をたどった顎関節症には同様の所見が出るときがあり、注意を要します。もし本当に欠損が生じると脳脊髄液の漏出が出現し、それにより脳が沈むため、徐々に脳機能の障害が起きるときがあります。何らかの症状はあるのでしょうか?

幸い、脳障害らしきものは起きていません。脳脊髄液の漏出は、むち打ち症で起こり今のところ根治療法がない厄介な病気です。

また、金田先生はこの症例について、

顎関節の画像からは、今後突然、円板の復位がなくなり、いわゆるクローズドロックを継発する可能性を潜めた画像です。

と指摘されています。復位性関節円板前方転位から非復位性関節円板前方転位クローズドロックに進行していくのは必然性のあるものです。
現に、この患者さんも数度クローズドロックを起こした既往があります。今回のT大学受診も、クローズドロックを起こしたのでY大学医学部口腔外科をを受診し、「レントゲン装置が故障しているので診断ができない」という理由でT大学を紹介されました。

今日の時点ではとりあえず、この患者さんは脳脊髄液の漏出やクローズドロックの危険性から脱出できたとホットしています。

昨日も、初診で顎関節症の患者さんが2人見えました。2人とも復位性関節円板前方転位でした。

関節円板前方転位の患者さんの受け皿(紹介先)がないというのが現状ではないのでしょうか?
大学病院に頼らず、個々の歯科医師が頑張るしかないように思います。

いま、復位性・非復位性関節円板前方転位を1ヶ月ほどの短期間で治す治療法を開発しています。結果は?????

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