2012年6月1日金曜日

顎関節症 疼痛4

またまた続編です。

火曜日にペインクリニックから頤部(オトガイブ)の疼痛が8年も続いているということで、紹介されてきた患者さんです。

火曜日(初診日)に犬歯誘導を付与したスプリントを、装着しました。
初診時の疼痛レベルを10とすると、水曜日の段階では5という回答でした。果たして今日(金曜日)は、どうなったのでしょうか?何と3でした。

そして、スプリントを装着後に変化したことは
①歩く度にオトガイ部に感じていた疼痛が軽減されたので、火曜日の診療後には嬉しくなって歩き
過ぎて帰宅が遅くなり、帰ったらぐったりと疲れていた。
障害児と過ごす仕事をしていたが、痛みのため障害児と同じスピードでしか歩けなかった。
②左の視野が狭くなった気がするが、見やすくなった。
③臭いが、分かるようになった。今までバラの臭いなどが分からなかったが、感じるようになった。
④コメカミあたりが、スッキリした。
⑤意欲が湧いてきた。
⑥水曜日に感じていた後頸部の痛みはなくなったが、軽い肩こりがある。

画像では、よく確認できませんが、両犬歯とも中心咬合位では
接触していません。側方運動では平衡側に干渉があります。

初診日に装着したスプリントには、犬歯誘導を与え、平衡側干渉がないように調整しました。

今日(2回目のアポイント)は、全顎のレントゲン撮影、スタディモデルの印象採得をしました。
プラークコントロールなどの問題はありますが、次回のアポイントでは、とりあえず両犬歯に一時間ほどかけてテンポラリークラウンを装着し、疼痛を“0”にして、7月の教員採用試験に臨むように勧めました。

「たかが噛み合わせ、されど噛み合わせ」ですね!
患者さんの噛み合わせを担当する怖さを思い知らされたケースです。

この患者さんの後日談は、またお知らせします。
今日は、5時半に起きて(ただ、年をとったので早く眼が覚める)解剖の本を紐解きました。
患者さんの痛みはオトガイ神経の支配領域でした。(「そんなことも今更、解剖の本を読まないと分からないのか」と自分を叱っています。)
なぜ、平衡側の干渉がオトガイ神経の支配領域に痛みをもたらすのか?という謎解きもしてみたいと思います。



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